Gamer's Cocktail Club

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プラチナトロフィー獲得者によるゲームレビュー1個目 【FF13】

【FF13】のプラチナトロフィーを獲得したため、レビューします。

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この作品は、2009年に【PS3】で発売された作品で、日本を代表するRPGである【ファイナルファンタジー】(以下FF)シリーズのナンバリング13作目のタイトルです。

当時のゲームとしては、圧倒的な美麗グラフィック、PVから伝わる壮大な物語を予感させるイベントシーンの数々に、物凄く早いバトル画面に目を奪われたことを今でも鮮明に覚えています。

私は、このゲームのプレイ時点で、【FF】シリーズを1~12まですべてプレイしており、ゲーム雑誌やインターネットで発売前情報もしっかりチェックしており、とても期待していました。

さて、それでは早速レビューしていきましょう。

 

概要

タイトル:FINAL FANTASY 13

ジャンル:RPG

発売日:2009年12月19日

コンセプト:不明

※私が理解できなかったという意味です。

 実際には何かしらのコンセプトがあるはずです。

 

良かったポイント

1.美麗グラフィック

はっきり言って綺麗すぎます。

2009年当時の日本のゲームでは頭一つどころか、二つも飛び抜けていたように感じました。

【FF】シリーズは毎回その圧倒的な美麗グラフィックでゲームファンを魅了しています。

今回も、ムービーシーン、ゲーム画面ともに非常に美しい映像になっています。

オープニングだけでも、【FF】の名に恥じない素晴らしい映像に目を奪われることは間違いないです。

この美麗映像を様々なロケーションで表現されており、SFチックな世界観の【歓楽都市ノーチラス】や幻想的で美しい【ビルジ湖】や【サンレス水郷】など他にも多くの美麗グラフィックで表現されたロケーションがあり、ゲーム中にふと足を止めて映像を観て楽しめるのは、流石といったところでしょう。

しかしながら、世界の様々な場所に自由に行き来できない点が悔やまれます。

素晴らしいグラフィックを心ゆくまで堪能することはかないません。この点については悪かった点で後述します。

 

2.BGM

今回の【FF】で、かなりの高水準に達していると感じたのがBGMです。

過去作のBGMも、高レベルでファンを魅了してきたことは間違いありません。

私も、BGMには毎回心を奪われ、【FF】のサントラは全シリーズ持っています。

そんな私からみても、今回のBGMは全体的にレベルが高いです。バトルやイベントシーンでのBGM、そしてダンジョンのBGM、どれもこれも非常に聴きごたえがあります。

私は、音楽的な知識は皆無なので純粋に心を揺さぶられたという感情論で評価していますが、おそらくゲームをプレイしていなくてもサントラを聴くだけで、良い曲ばかりだと感じるはずです。

 

3.バトルシステム

非常に戦略性の高いバトルシステムとなっていて面白いです。

ざっくり説明すると、戦闘中の状況に応じてキャラクター毎にロール(役割)を切り替えて戦うようなイメージです。

分かりやすく極端な例で言いますと

・総攻撃を仕掛けたいなら3人全員の役割をアタッカーにして、全員で攻撃する。

・ピンチなので2人はヒーラーにして、素早く回復して状況を立て直す。

といった具合です。

ロールは全部で6つあり、アタッカー、ブラスター、ディフェンダー、ヒーラー、エンハンサー、ジャマーで、それぞれに役割があります。

細かい詳細は省きますが、これらを上手く切り替えながら戦う【FF13】のバトルシステムはかなり戦略性が高く、適当に攻めているだけでは倒せない敵や、間違った戦法で挑んだ際にかなり強くてどうやって倒すのかと感じる敵も、攻略法が分かれば驚くほど簡単に倒せることが多いです。

戦略性が高いので、難易度は高く、的確な状況判断や敵の弱点などを見極める力もプレイヤーに要求されます。

RPGは、適正レベルを上回る程にレベル上げをしてしまえばあっさり勝てることが多いですが、【FF13】はそれが出来ません。

実はこのゲーム、レベルもストーリーの進み具合に応じてストッパーがかかっていて適正レベルを上回れません。キャラクターの力を底上げできないので、プレイヤーの技量で戦って勝つしかないのです。

これは、戦略性や、歯ごたえを求めるプレイヤーには受け入れられましたが、その逆のプレイヤーには受け入れ難かったことでしょう。

私は個人的には、レベルストッパーは外していても良かったのではと思います。

私は昔、別のRPGで適正レベルを上回るレベル上げをしてボスに挑んだ際に、友達に「だせぇな。」と切り捨てられたことがありますが、適正レベルを上回るために少ない経験値で時間をかけてキャラクターを強くして何が悪いのかと言いたい。

確かに、適正レベルで調整されているので、戦術を駆使して戦うことをゲーム制作者も望んでいるかもしれませんが、遊び方は千差万別です。

話がそれましたが、せめてレベルストッパーがなければ、途中で諦めてしまった方も頑張って時間をかけてクリアまでプレイすることができたと思います。

なので諦めてしまった方が、このゲームのバトルシステムの良さに気付くことは難しいと思います。これについての理由は悪かったポイントで後述します。

※現在はイージーモードが搭載されているようなので、クリアが難しい方はゲーム難易度を下げてプレイすることになるでしょう。

 

 

悪かったポイント

1.ストーリーの魅せ方

やはりRPGを語る上では外せないのが、ストーリーでしょう。

ストーリーの内容には人それぞれに好みがあるので評価が難しい部分ではありますが、【FF13】では、その魅せ方に問題があったように感じます。

要因として、ゲーム世界専用の造語が多くて言っていることが分かり難く感じます。

ゲーム世界内の住人にとっては聞き慣れて、意味まで分かるのであろう「ファルシ」や「ルシ」といった造語が、プレーヤーには全く馴染みがなく、意味も分からないのに、さも当然に意味が通じていると言わんばかりに、造語のオンパレードでキャラクター同士の会話が行われます。

終始そのような状態でストーリーが展開するので、ゲーム世界に入り込めないでしょう。

私は、発売前情報を収集しており、ある程度の意味も理解していましたのでそこまで問題ではなかったのですが、【FF】シリーズの最新作ともなれば、普段はゲームをあまりやらないライトゲーマーもプレイする方は多いはずです。そういった方がゲームの発売前情報を調べたりするでしょうか?

恐らくしないでしょう。故にゲームに入り込めずにストーリーに対する評価が悪くなっていったように感じます。

因みに私は、魅せ方だけでなく、ストーリー展開としても面白いと感じないものだったので、造語によるとっつきにくさがなくても、あまり良い評価ではないです。

個人的には、世界観設定は良いと思いますが、イベントシーンを見てもあまりキャラクターの目的や心情なりが上手く伝わってこない印象を受けました。

それでも心に残るような名シーンが全くの0というわけではありませんが、声を大にして良いシーンだったなと語るほどのものでもないです。

 

2.ダンジョンが単調

これはよく「一本道」という言葉で表されています。

確かにその通りで、中盤を過ぎる頃まで自由度は皆無です。

ただ道なりに進んで、バトルして、イベントシーンを観るだけです。

他のゲームのダンジョンに当たり前にある間違った道(行き止まり)や、迷路なような構造はまったくなく、まず迷うことはないような作りで本当に真っ直ぐ進むだけに感じることは否めない印象を受けました。

これに関しては、直近のシリーズの【FF10】と【FF12】(【FF11】はMMORPGのため除外)を見ても、目的地に向かって進むという意味では似たようなものです。

ただ、迷路構造や謎解きのギミック、そして広大なマップといったダンジョンを進むので、「一本道」とは言われてこなかったと思われます。

ただ私は、「一本道」というよりは、次の問題点で触れる「一方通行(Uターン不可)」だったことがこのゲームのデザインとして問題だと思っています。

 

3.「一方通行(Uターン不可)」であること

このゲームは、冒険したほとんどのダンジョンに戻れないです。

良い点の美麗グラフィックでも軽く触れましたが、このゲームでは大部分のダンジョンに戻って訪れることが出来ません。折角の良いポイントを台無しにしています。

 

4.バトルシステムが面白くなることが遅すぎる

ストーリー上の都合もありますが、中盤を過ぎる頃までバトルメンバーが揃わないので、チュートリアルのように特に戦略性も感じられないようなバトルを長時間もさせされます。

 

5.オートクリップにだけ様々な情報説明がある

イベントシーンなりで説明するべき事が、オートクリップに書いてあります。

それ自体が悪いわけではありませんが、せっかく美麗なグラフィックとキャラクターにボイスまでつけているゲームなのに、なぜ文字だけで情報を知らなければならないのかという点が問題だと思います。

個人的に、ゲームに出てくる読み物は好きですが、これは常軌を逸しています。劇中に必須とも言える知識をそこにだけ書くのはいけません。

 

6.コンセプトが伝わらない

これが一番致命的ですが、このゲームのコンセプトが最後まで分かりませんでした。

私は、長年ゲームをやってきていて、ゲームが本当に大好きです。

新作ゲームが発表されたら、そのゲームのコンセプトアートから感じ取れる物事を考えたり、サブタイトルやロゴから意味を考えたりもします。

インタビューで明確にコンセプトが示されていたり、注目してほしい点を語っている場合も、勿論情報として頭に入れます。

その上で、購入するかどうかを決めることが多いです。

私が購入前に得ていた情報では、このゲームは、「ファブラ・ノヴァ・クリスタリス」と銘打って、「新しいクリスタルの物語」を描くことをコンセプトに掲げていたと思います。

【FF】ファンなら、「クリスタル」という単語がどれほどファンの心に響くものであるのか、大なり小なり何か思うところがあるはずです。

【FF13】で新しいクリスタルというものが、何だったのか、どう描かれたのか、このゲームを通してプレイヤーは何を見て・楽しんでほしいのかが全く分かりませんでした。

 

総評

4点(10点満点)

とても万人に向けてオススメできるとは言い難い作品です。

冒頭でも触れていますが私は、【FF】シリーズが大好きです。

なので自然と要求するハードルが上がっていると思いますので、4点です。

かなり人を選ぶゲームだと感じます。

 

感想

私がプラチナトロフィーを獲得するまで、長い時間をかけてプレイした上でいうと、このゲームは後半(クリア後)に戦える強敵とのバトルを楽しむゲームだったと感じています。

納得のいかなかったゲームデザインや、伝わらないコンセプトも忘れて、ただ純粋に強敵と戦い、そいつを完膚なきまでに叩き潰すために戦略を練って、それを実践するゲームでした。某漫画のどこぞの戦闘民族のようだ。

本作でも屈指の強敵【ロングイ】や【ウェルキンゲトリクス】等を初めて倒したときの感動は忘れられません。

みんなはどうやって倒しているのかと思うと、あり得ない程の短時間で倒すスーパープレイにも驚愕しました。

私もこのゲームをやるまでは、「勝てれば良い派」でしたが、このゲームのおかげで敵を完膚なきまでに叩き潰すことに快感を覚え、上記の強敵たちに何度も挑んで完膚なきまでにぶっ潰したときは最高にテンションが上りました。

個人的に、主人公の【ライトニング】の名台詞だと思っている「ぶっ潰す」は、ここまでゲームをやると初めて分かるんだなと感じています。

ゲーム後半まで辛抱強くプレイできる自信がある方にとっては、戦略性の高いバトルを楽しめ、やり込み甲斐もあり、一定量は遊べるゲームに仕上がっています。

現在では価格も非常に安く中古品が出回っているので、興味のある方はプレイしてみても良いと思います。