【FF13-2】のプラチナトロフィーを獲得したため、レビューします。
この作品は、2011年に【PS3】と【Xbox360】で発売された作品で、日本を代表するRPGである【FF】シリーズのナンバリング13作目の続編となるタイトルです。
【FF】シリーズのナンバリングの続編は、【FF10-2】以来の2度目になり、世界観やキャラクターを引き継いだ上での続編となっています。
私は、このゲームが発表されたときには驚きました。「続編を望む声が多かった」とありましたが、正直なところ、「本当かよ」と言いたかったです。
前作よりは期待していませんでしたが、やはり【FF】愛は消えていない。だからこそ買ってプレイしました。
さて、それでは早速レビューしていきましょう。
概要
タイトル:FINAL FANTASY 13-2
ジャンル:RPG
発売日:2011年12月15日
コンセプト:「プレイヤードリブン」
※他にもいくつかありましたが、私が一番期待したコンセプトを記載しています。
良かったポイント
1.美麗グラフィック
前作に引き続きこちらも評価が高いポイントです。
前作より進化しているかと言われると、個人的にはそうは感じなかったが、十分過ぎる映像クオリティなので特に不満はないです。
更に前作よりも魅力的なロケーションが増え、一部ですが天候もあり、映像を見るだけで楽しめるので非常に良いです。
個人的なお気に入りは【ヲルバ郷】です。あの廃墟感は素晴らしいです。
2.BGM
前作に引き続きこちらも評価が高いポイントです。
特に良いのが、同じロケーションに対して前作のBGMと今作の新規BGMがある点です。
例えば【サンレス水郷】では前作のBGMと新規のBGMが流れます。
これが、前作からBGMを聞いている身としては、原曲とアレンジの2曲というように感じられ、非常に贅沢な気分になります。
ゲームのリメイクや続編では、オリジナル版や前作で使用されたBGMはアレンジされることが多い印象がありますが、原曲も残している点はとても嬉しい誤算でした。
しかも両方ともかなり高水準のレベルのBGMなので、期待以上でした。
3.バトルシステム
名称の変更や、モンスターを仲間にする要素が加わっていますが、基本的には前作とほぼ同様のシステムと考えて問題ないです。
今回は、メインパーティメンバーが主人公2人しか居ないので3人目の枠にモンスターを仲間にして戦ってもらうというものになっています。
モンスター自身は、ロール(役割)が固定されていますが、前作同様に陣形を変えていけます。その際は、モンスターごと変わるようになっています。
前作のバトルシステムを踏襲していますが、前作のように難易度は高くないです。
ここは個人的には良い変更だと感じました。
プレイヤーの皆様には、やはりクリアしてほしいですし、門戸を広げる意味でも良いと思います。
個人的には、ザコ敵はザコ敵らしく弱くなり、ボスでもある程度のゴリ押しが効くようになった・立て直しが容易になったという風に捉えています。
中盤を過ぎる辺りからは、脳筋アタッカーゴリ押しは明らかに通じなくなるので、ゆっくりとバトルシステムに慣れていけるような親切な設計だと感じます。
ただ、前作のような強敵が居ないのも事実なので、そこはもう少し頑張ってほしかったです。
4.リプレイ性の高いゲームデザイン
全てのRPGに標準搭載してほしい「強くてニューゲーム」(クリア時のパラメータなどを引き継いで最初から始めるシステム)を上回るリプレイ性の高さのゲームデザインには驚きました。
「強くてニューゲーム」はかなりリプレイ性の高いシステムですが、クリアすることが最低条件になります。
しかし、【FF13-2】では、街やダンジョンでのストーリーが、区切り毎にアクションゲームのステージのように分かれており、好きなときに、好きなストーリー部分をやり直せます。
RPGでこういう手段を使ってリプレイ性を高めたのは驚きました。
個人的には、前作でもそうだったのですが、旅のように世界を巡ることをしないゲームデザインなので、ワールドマップが無かったり、それぞれの場所の位置関係が分かりにくい(ゲーム内世界地図全土が掴みにくい)ですが、そういうマイナス面をこのゲームデザインで上手く隠したなと思います。
悪かったポイント
1.ストーリー(特にラスト)
やはりRPGを語る上では外せないのが、ストーリーでしょう。
まずオープニングで驚かされます。
前作の世界観からはかけ離れたようなロケーションでの【ライトニング】が戦うムービーが始まります。
さらに、前作のラストの展開が無かった事にされた状態から物語がスタートします。
「あれ?【FF13】の続編だよね?」となると思います。
具体的に言うと【ライトニング】は【クリスタル】になったから居ないということになっています。
初っ端から、前作にも負けないくらいとっつきにくいです。
しかし、今回の女主人公【セラ】は、前作の主人公【ライトニング】の妹で、世界で唯一、前作のラストを記憶している人物で、まさにプレイヤーと同じ状態なので、彼女と共に物語を追いかけることができるので、原因が明かされていく説明などもすんなり入ってくると思います。
全体を通して、詰めの甘い部分はあるものの、前作よりはキャラクターの目的が明確なので、RPGとして概ね問題ないストーリー展開です。
しかし、世界観設定が非常に複雑で、時間を絡めたストーリーになっているため難解で、理解が追いつかない部分や、「矛盾してない?」と感じるものも多いです。
ストーリーの設定の粗さや矛盾が1つも許せないような方は、前作以上に苦痛に感じるかもしれません。
私もストーリーは結構考えながらプレイするタイプで、設定の粗は気になる方ですが、今回はストーリーに何も期待していなかったので、気持ち半分でプレイしていましたので、「どうなってるんだ?」とか、「これ、おかしくね?」とか色々思いましたが、深く考えずに無視しました。
ゲーム中では、細かな設定などの全てに解が提示されないです。
賛否はあるでしょうが、【FF13-2】では全てには解が提示されないスタイルです。
さて、ここまで書きましたが、一番の問題はラストです。
エンディングが一番の問題です。ストーリーに何も期待していなかった私ですら、「これは、やっちゃいかんだろ!」と思いました。
「バッドエンド」とか、そういう言葉で済むレベルではないです。
主人公たちの当初の目的が達成されません。それどころか色々と状況が悪化します。
主人公とプレイヤーは何のために時空まで超えて、過去改変を繰り返したかと思うと、やるせない気持ちになります。
このゲームには、ある条件を満たすと真エンディングがあります。
しかし、こちらも状況をさらに悪化させるもので、プレイヤーは条件を満たさせるためにかなりの努力を強いられるのに、待っているのはより悲惨なものだけです。
終わりだけが全てではありませんが、そのインパクトの強さと、後味の悪さがものすごく尾を引いて、全体の評価を悪くしていると感じました。
2.名ばかりのマルチエンディング
発売前から、マルチエンディング方式になると明言されていましたが、私は【FF13-2】に関しては、マルチエンディングとは呼べるものではないと思います。
本編が最後まで進むわけでもなく、途中で勝手に物語は終わりですと言わんばかりのエンディングが随所にあるだけで、ノベルゲームでいう選択ミスによるバッドエンディングに近い形です。
別に無くても良かったのではないかと思う出来です。
ただ一つだけ、諦めてしまうエンディングは、一つの結末として悪くなかったです。
3.ライブ・トリガー
イベント中に選択肢が出て、好きなものを選んで進めることでゲームのストーリーに介入している感を狙ったシステムだが、実際にはゲームのストーリーに影響はなく、会話が微妙に変化するだけ。これで何が「プレイヤードリブン」なのでしょうか?
しかも、選択肢が極端にギャグ路線を狙ったものが多く、真剣にストーリーを見ている人は選ぶ選択肢があってないようなものになっているのも好みではなかったです。
前作の不満点を解消するためと、「プレイヤードリブン」というコンセプトを形にするためであろうシステムの1つですが、全く意味をなしていません。
4.シネマティックアクション
いわゆるQTEです。イベントシーンかと思ったら、画面にボタンが表示され、それを制限時間内に入力するというもの。
コンセプト通りにバトル展開を選択して介入しているから「プレイヤードリブン」だと言いたいのでしょうか。
どんなゲームでも、バトルそのものが「プレイヤードリブン」なわけなので不要です。
当時ですら、既に他のゲームで使い古されたシステムなので目新しさも無いし、個人的に【FF】には不要だと感じました。
総評
5点(10点満点)
前作の不満点を真摯に受け止め改善しようとした努力は随所に見られ、実際に改善しているものも多いです。
しかし、改善のベクトルが斜め上にいってしまい、チグハグ感も目立ちます。
何よりもエンディングの後味の悪さがどうしてもつきまといます。
このレビューを書いていても、真っ先に浮かんだのが例のエンディングの件ですから。
このゲームのレビューにおいて、どう評価するかは問わず、エンディングに関しては切っても切れないものでしょう。
私は、ストーリーに何も期待していなかったので、ゲームとして楽しめました。
しかし、エンディングの後味の悪さを感じたことも事実なので、もはやマイナス点となりましたので、5点とします。
感想
私がプラチナトロフィーを獲得するまでに感じたのは、このゲームは希望を信じてひたすらパラドックスを解消するために「フラグメント」を探して集めるゲームです。
これを探す際には、前作の一本道マップのほうが良かったと思うほどに探すのが難儀でした。我儘ですよね、すみません。
全部集めて、バラドックスを全て解消したはずなのに希望も無いし、奇跡も起こりません。
前作では奇跡が起きたのに、今作では起こりません。
「プレイヤードリブン」というコンセプトのもと、プレイヤーがストーリーに介入できるなら、ここしか無いはずでしょう。しかし、組み上げられたストーリーを見せられるだけでした。
それと同時に、前作同様に強い敵を求めて、レベル上げとモンスターの育成に時間を注ぎます。
それなりに強い敵は居ますが、前作ほど難しくはありませんでした。
前作から同じシステムで戦っているので、こちらが定石なりを知っていることも大きいかと思います。
どうしても強敵と戦いたい戦闘民族の血が流れている方は、お金を払う必要がありますがDLCで配信されている敵はどれもこれも強敵ばかりです。
【FF】シリーズ過去作のモンスターや【ライトニング】や【スノウ】も登場し、かなりの苦戦を強いられます。
実は私もクリア当時はDLCには手を出しておらず、このレビューを書くにあたってDLCに手を出してみたのですが、本当に強い敵ばかりでした。
私のブランクもありますが、それを差っ引いてもかなりの強敵ばかりだと自信を持って言えますので、DLCの購入まで検討、あるいはDLC込みの「デジタルコンテンツセレクション」を購入するほうが良いと思います。