【KH3】のプラチナトロフィーを獲得したため、レビューします。
この作品は、2019年1月25日に【PS4】【Xbox One】で発売されました。
ナンバリング作品としては実に12年ぶりというもので、とても長い間待たされた作品でしたので発売したらとにかく早くプレイしたいとずっと思い続けていました。
壮大な物語の結末を見届けたくて、寝る間も惜しんでプレイしたのを覚えています。
さて、それでは早速レビューしていきましょう。
概要
タイトル:KINGDOM HEARTS 3
ジャンル:アクションRPG
発売日:【PS4】
コンセプト:「ダークシーカー編完結」「遊びの面は選択肢の多さと選ぶ楽しさ」
良かったポイント
1.ディズニーワールド
映像レベルが格段に進化しており、ピクサー作品も、実写作品もとんでもないレベルで表現されており、ファンならこれに満足しない人はいないだろうと言える出来です。
映画のシーンの再現、【KH】作品との絡め方も非常に良くて楽しめました。
欲を言うと、後1つ2つ、ワールドが欲しかったのですが、今回のクオリティを維持するためなら、逆に1つ2つのワールドを犠牲にしても仕方がないと感じました。
特に後半の2ワールド、「パイレーツ・オブ・カリビアン」と「ベイマックス」のワールドは驚きを隠せないレベルで衝撃と感動が味わえます。
2.バトルシステム全般
爽快感は前作の2よりは下がったか、同等といった印象だが、派手さが大きく増しており、攻撃や魔法エフェクトの美しさや、ディズニーランドのアトラクションから着想を得たのか、コーヒーカップやメリーゴーランド、ジェットコースターなど、他にも多くのアトラクションを使って敵を一掃するのは非常に派手で気持ちが良いです。
また、通常アクションから、キーブレード変形、強化攻撃、連携にリンク(召喚)システムに、シュートフローとやれることが多いですが、相変わらずの簡単操作で【ソラ】を操作できるのは非常に高ポイントです。
ゲーム初心者でも気持ちよく爽快で派手なプレイが楽しめます。
3.グミシップ
最初に画面を見たときに正直、驚きました。もはや前作からの進化というか、完全に別物として再構築されたものになっています。
近年はあまりみないジャンルのシューティングですが、これだけで1つのシューティングゲームとして発売できる気がするレベルになっています。
苦手意識の多いジャンルですが、今回は過去作よりも簡単・分かりやすい気がしました。
初心者救済システムとして星座グミシップというものがあるので、これを使えば期待のコストを気にせず強い機体を使うことができ、これがあれば、まず本編をクリアする上で困ることはないでしょう。
4.門戸の広さ
上の良いポイント2と3でも少し触れましたが、とにかく簡単操作と初心者救済がしっかりしています。
【KH2FM】よりは、熟練者を満足させる要素は少ないですが、それでも幅広い人に遊んでもらえるようなゲームデザインになっている点はやはり良いポイントです。
※アップデートや追加DLCで、熟練者を満足させる要素は加わっています。
5.BGM
もはやこのシリーズのBGMは良い点と言うか、語る必要もない程に素晴らしいです。
今回は、宇多田ヒカルさんの主題歌が2曲収録されていることも良いですね。
ゲームプレイ中は勿論、イベントシーンをも大きく盛り上げるBGMは素晴らしい曲ばかりで聴き応えは抜群です。
悪かったポイント
1.ミニゲーム
相変わらずのミニゲームですが、もはや「ミニ」ではなく「ミドル」ゲームと言えるくらいで、出来は凄く良いのですが、目標スコアを達成するには、何度かトライしないといけないのがやはり私の好みに合わないです。
今回は、目標スコアの定められていない、クラシックスタイルのゲームもあります。
こちらは、目標スコがが定められていないので純粋に楽しました。
2.多くのキャラクターへの違和感
キャラクターの個性というか性格が掴めないです。
このキャラクターならこうするだろうとか、そういうのが無いように感じます。
例えば1のラスボスの【アンセム】が「裏切り者の存在に気づいていたが、どうでも良いから無視してた」みたいな事を言いますが、【アンセム】はこういうことにもしっかり気がつく抜け目のないキャラクターとして描きたいのか、どうでも良いとかいきなり怠惰なことを言ってくるようなキャラクターなのかいまいち性格が掴めません。
裏切り者がしっかり裏切らないとストーリーが進行しないので、無理やりそのストーリーを歩かされるように無視したとしか思えないです。
他にも、【ゼムナス】は結局【アクア】を見ても何も言ってこないし、【ヴィクセン】も急に贖罪をしたいと言ってきたり、【サイクス】は感傷的に【アクセル】に決戦前日に話しかけてくるし、そういうキャラクターだったの?と、他にも違和感を拭えない描写が多く、ストーリーベースでキャラクターが動かされているような妙な違和感を感じました。
3.クリティカルモードがない
※現在はアップデートによりゲーム内に搭載されています。
発売日にプレイを開始した身としては、初っ端から残念な気持ちになりました。
クリティカルモードで遊べることを本当に楽しみにしていたので、ショックが大きかったです。
しかし、シリーズ作品もオリジナル版にはクリティカルモードは未実装だったことから、普通の流れかと自分に言い聞かせてプレイしました。
後に無料アップデートで搭載されました。
4.約束のお守りがない
※現在はアップデートによりゲーム内に搭載されています。
これにも驚きと落胆で、暫く放心してしまいました。ストーリーのあるタイミングで、ここで手に入るなって気になる部分があるのに、全く触れられることもなくスルーされて、手に入ることはありません。
一番好きなキーブレードで、【アルテマウェポン】よりもこっちを装備して裏ボスまで挑むのが個人的なポリシーなので非常に残念でした。
後に無料アップデートで搭載されました。
5.裏ボスの弱さ
恐ろしく弱い裏ボスにビックリします。
正直シリーズの裏ボスは最強クラスであるのが当たり前になっているので、今作の裏ボスの弱さには驚きました。
肩透かしを食った感が凄くて、不完全燃焼気味でモヤモヤした気持ちでした。
6.シークレットムービー
発売日から1周間はゲーム内で条件を満たしていても観ることができないようなプロテクトというか、対策が施されていましたが、正直隠すほどの内容でも無いし、分かったのは次回作は構想は、頭にあったとしてもかなり断片的でほぼ白紙だなってことがしっかり伝わるシークレットムービーでした。
過去ナンバリング2作品のシークレットムービーとは、比較にならないほどインパクトがなかったです。
総評
8点(10点満点)
やっと【KH】シリーズのナンバリング作品をプレイできた喜びに、やはり安定した面白さがあると感じました。
ナンバリングとしては、間が空きすぎたこともあり、個人的な要求ハードルはかなり上がっていたのですが、十分に満足のいくゲームでした。
ただ、やはりオリジナル版ということで、過去作のいわゆる「FINAL MIX」版と比較するともうひと押し楽しみが足りなかったなという印象です。
感想
プラチナトロフィーを獲得するまでプレイした上で感じたのは、少し期待値が高すぎたかなと何度も感じずにはいられませんでした。
ストーリー攻略中は、中盤までの物語が進行しているのかあまり良くわからない遅さと、後半の駆け足感が、長年シリーズを遊んできた身としては、打ち切り漫画を見ているようだったり、「それだけ?」っていう感じがどうしても払拭できず、もう少し終わり方も綺麗にまとめてほしかったという事もありあまり満足できていません。
終盤の駆け足展開には特に残念というほかなく、モヤモヤしました。長い間待っていたためか、長い時間をかけて終盤の戦いが描かれると勝手に思っていたのもあって、あまりのあっけない展開には消化不良感が否めませんでした。
やりこみ要素もそこそこあるように感じますが、KHのナンバリングとしては過去シリーズの足元止まりと言ってもいいレベルです。特にバトルコンテンツがかなり少なく、闘技場が無いことや、強敵となる裏ボスがいないというのがかなり致命的だったと思います。
後にDLCでバトルコンテンツは拡張されますが、オリジナル版のリリースでそこまで作り込んでいてほしかったというのが正直な感想です。
それでも、一定の水準以上であることは間違いないですし、かなり面白いゲームに仕上がっていると思いますので概ね満足はしています。
ディズニーの世界観表現は凄まじく、素晴らしいの一言に尽きます。原作映画の再現度も【KH】シリーズとしての絡みも文句なしで、大変満足しています。