【LR FF13】のプラチナトロフィーを獲得したため、レビューします。
この作品は、2013年に【PS3】と【Xbox360】で発売された作品で、日本を代表するRPGである【FF】シリーズのナンバリング13作目の2回目の続編となるタイトルです。
【FF13】三部作の完結編となる作品です。
私は、このゲームが発表されたときには驚きました。「前作の最後を考えると当然だろうな。」と感じ、特に驚きはなかったです。
しかし、購入は見送っていました。
発売から2年後の2015年に新品が結構値下がりしていたので、完結編なら見届けたいという思いもあり、購入してプレイしました。
さて、それでは早速レビューしていきましょう。
概要
タイトル:LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY13
ジャンル:RPG
発売日:2013年11月21日
コンセプト:「ライトニングリターンズ」「ワールドドリブン」
良かったポイント
1.完結したストーリー
これは、普通に考えたらあたり前のことなのですが、前作【FF13-2】のトラウマがしっかりと心に残ってますので、「まさか今回も?」とか考えてしまいました。
「完結編」と銘打っていますが、本当に「完結編」です。
未プレイの方は、どうか安心して下さい。完結します。
【FF13】シリーズの物語はこれで終りを迎えます。
とにかく完結して良かったです。最後の神との戦い、そして新世界の創造と、熱い展開でした。
【FF13】からシリーズを追いかけてきて、完結したことは素直に嬉しかったですし、無理やり感は無くもないけど、一応は納得のいく終わり方でもありました。
個人的に、「はるか昔、全能の神ブーニベルゼによって作られた女神エトロは、やがて人に死神と呼ばれ崇められた。」という神話の部分と、「そして今、全能の神ブーニベルゼが【ライトニング】を新世界の女神候補として育て上げたが、【ライトニング】は人としての意思で死神となって立ち向かう。」リンクする展開はベタですが、鳥肌モノのカッコ良さでした。ラストバトルは絶対に負けたくないと強く思って戦えました。
2.バトルシステム
過去2作同様に、バトルシステムは高く評価したいです。
戦うキャラクターが基本的に【ライトニング】1人になったため、過去2作とはシステムが変わっています。
【ライトニング】1人に3つのバトルセットを作って、それを切り替えながら戦うものになっています。
前作のように役割はないので、魔法特化アビリティで構成したセット、物理特化アビリティで構成したセットというように特化構成もできるし、どのセットでも物理攻撃も魔法攻撃も行ないたいなら平均的な構成のセットを3つ作ることも出来ます。
過去2作と違い、コマンドの予約ストックのようなものではなくなり、リアルタイムにコマンドを入力するようになっています。
それに加えてガード要素もあるので、アクション性が高くなっています。
難易度に関しては、【FF13】なみに難しくなっていると感じました。
【FF13-2】のような難易度ではないので、ある程度ゲームに慣れている人でないと序盤は苦しいと思います。
開発者は、1周目は難易度イージーを選ぶことを推奨としていました。
ノーマルで進めましたが、私も一周目はイージーが良いと感じました。
周回プレイを前提としたゲームなので、強くてニューゲームで何度も繰り返してプレイしてもらいという思いがあるかもしれません。
上記で少し触れたガードですが、今回のバトルシステムでのキモと言って良い要素です。攻めているだけでは、なかなか敵を倒しきれません。倒せても気持ちよく勝てないです。
今回のバトルシステムは敵のスキの後に攻撃を仕掛けたり、ガードを主体として、「後の先を取る」というものになっています。
3.【ライトニング】の心理描写
今回のコンセプトでもある「ライトニングリターンズ」ですが、主人公として戻ってきただけでなく、物語の中で【ライトニング】の自問自答のような心理描写が多く彼女の想いが分かりました。
人気の高い彼女ですが、私はあまり好きなキャラクターではありませんでした。
しかし、この【LR FF13】で彼女の内に秘めた想いや思想が見えてきて、好きなキャラクターになりました。
心理描写の魅せ方に一役買ったのが、新キャラクター【ルミナ】でした。
外見が【セラ】によく似た姿をしたキャラクターで、彼女と【ライトニング】のやり取りや、彼女の正体が判明した時は、「おぉっ、そういう事か」と素直に感心しました。
悪かったポイント
1.ストーリー展開とボリューム
相変わらずストーリーは、癖が強くとっつきにくいです。
まず、世界は混沌にのまれて、人は皆、老衰せずにおよそ500年の時を生きているという状態になっています。
もはや最初の空に浮かぶ世界【コクーン】を舞台とした頃とは世界観の繋がりがあるのか判断すらできない状態になっています。
個人的にはもうこの時点で深く考えたら楽しくなくなってしまうなと感じてあまり考えないでプレイすることにしました。
今回のストーリー展開は大まかに言うと、過去作の重要キャラクターたちの抱える問題を【ライトニング】が解決していくという流れでストーリーは展開していきますが、【ライトニング】以外のキャラクターの心理描写が薄くて、あまり楽しめないです。
ボリュームも問題で不足しているように感じました。
劇中での世界の余命、最大13日に対して私は7~8日あれば全て終わりました。
そのため、後半はサイドストーリーであるクエストをメインにプレイすることになります。さっさと物語を進めてい人にはストレスになります。
ただ、その一方でかなり寄り道をしたりするプレイスタイルによっては、全てのメインストーリーを終えられないということも起きてきます。
これはストーリーの短さというより、全体的なゲームバランスが取れていなかったことも大きいと思います。
2.時間制限システム
今作では世界の余命があり、1日1日を終えるまで活動できるというような時間制限システムがあります。
【FF】シリーズでは異色とも言えるシステムの採用に個人的には、「面倒くさいな」と感じつつも、周回を前提としているゲームデザインになっているという情報から、実際にやってみてどうか判断するポイントだと感じていましたが、悪いポイントとなりました。
まず、時計が常に画面にあるのでプレッシャーは感じるものの、思ったよりは時間に余裕があります。しかしそれが仇になっています。
更に新システムの「GPアビリティ」というものの中に「テレポ」(瞬間移動)や「クロノスタシス」(時間停止)というものがありますがそれが時間的余裕に拍車をかけます。
後半になると、GPが余りがちで、上記のアビリティを使って、体感的に1日の時間制限を3~5倍に伸ばせます。
制限時間があるので常にプレッシャーがつきまとう感覚は拭えないにもかかわらず、これさえやっておけば制限時間を大きく伸ばせるので、頑張って全部やりきろうとしてしまいます。
制限内に全てが終われないから周回してねというデザインにしたいのか、うまくやれば1周で全部終われますにしたいのか、よく分からないです。
絶対に周回させるというゲームデザインにして、AをしているとBが絶対に間に合わないとかにした方がプレイヤーとしても諦めがついて、素直に周回しようとも思うはずです。
3.ゲームバランス
全体的にゲームのバランス調整が悪い印象です。
悪いポイントの2でも話した時間制限システムのバランスだけでなく、全体的にバランスが良くないです。
バトル面では敵が硬いです。とにかく硬い。それだけなら良いのですがガードを使いたいのにエフェクトで敵の動きが見えないということになってしまいます。
上記の問題よりも、ガードが大事だということがゲーム中であまり説明されないことがもっと問題です。
ガードの重要性に気付くかどうかでバトルについてはかなり感触が変わってきます。
また、「ラ系魔法」の使い勝手が良すぎて最上級の「ガ系魔法」が空気です。
そして、「強斬り」という強力な物理攻撃アビリティもあり、敵をノックアウトしてからほぼそれでダメージを入れるだけでどうにかなるという点も気になります。
最後に、モンスターの生息数に限りがあり、その種族の最後は「ラストワン」と呼ばれ、強くなって出てきます。こいつを倒すとそのモンスターは絶滅したということになります。
それ自体は面白い発想でしたが、絶滅したら文字通り出現しなくなるので、そのモンスターがドロップするアイテムやアビリティが手に入らなくなります。
もう少し何か解決策を用意していてほしかった点でもあります。
4.コンセプトが弱い
「ワールドドリブン」ですが、世界変化に対してプレイヤーがどう動くかということだと思うのですが、結局の所、時間指定や時間拘束くらいしかありません。
例えば「19:00にここに来い」とか、「10:00から15:00までしか入れない場所」とかそういう感じです。
個人的にこれは「ワールドドリブン」のコンセプトでプレイヤーに体験をもたらすには弱いと感じました。
唐突に事件が起きたりして、事件現場に赴くか、無視するのかとか世界の事象に振り回される感じにした方が良いと感じました。
この文字の説明だと賛否両論ありそうなシステムに仕上がりそうですが、そこは開発者の方に頑張っていただきたいです。
前作の「プレイヤードリブン」のコンセプトも弱く感じましたが、過度に期待させるようなインパクトのあるワードをコンセプトにしているなら、それなりに昇華させてほしかったです。
総評
6点(10点満点)
正確には5.5点くらいですが、随所に見られる挑戦には敬意を評して6点とします。
色々と挑戦したゲームシステム部分に関して、今作ではバランスが悪いと感じ、私は評価を下げる要因になってしまいましたが、その姿勢は評価したいです。
もはやゲームの点数ではなくなってしまっていますが、ご容赦下さい。
今作は、調整不足のような粗さが目立ちました。システムもあれこれ入れすぎていて、ゲームデザインやコンセプトとのバランスが上手く取れていない印象でした。
何はともあれ、【FF13】シリーズの完結作としてリリースされた今作は是非とも【ライトニング】の思いを知る意味でも【ライトニング】が特に好きでない人にこそプレイしてほしいです。
感想
プラチナトロフィーを獲得するまでプレイした上で感じたのは、今作はやればやるほど作業感が増していくゲームです。
2周、3周とプレイしていくと、何が起こるかも分かりきっているし、ランダムに起きるような世界変化もないので振り回されることもないです。
数の多いサブクエストもよくあるお使いクエストの山ですから、作業感は拭えません。
更に今の情報過多な時代では攻略サイトなど山のように出てきますから、それを見てプレイする方は更に作業感が増します。
因みに、私は作業が大好きですよ。
もっと言うと、お使いクエストも別に嫌いじゃないです。
数多くの世界(ゲーム)を渡り歩き、それはもう何度もパシられてきましたから。
アレルギー反応を示す域はとっくに過ぎて、今では快く引き受けますから。
ゲームバランスとデザインが練り込まれていないために粗が目立ち、結局は作業感の強いだけのRPGになっていますが、意欲作であるのは間違いないので、プレイヤーの工夫や遊び方を変えてみると化ける可能性を秘めていると思います。
発売当初は、ボスを倒すタイムアタック動画のコンテストもあったようで、縛りプレイや、限界まで突き詰めてみると面白い要素は眠っているような気もしています。