【KH Melody of Memory】のプラチナトロフィーを獲得したため、レビューします。
この作品は、2020年11月11日に【PS4】【Switch】【Xbox One】で発売されました。
シリーズ初のリズムアクションゲームということが話題になりました。
私は音ゲーが大の苦手でプレイしたくなかったです。しかし、KHシリーズは好きなのでプレイしたいという矛盾した感情を抱いていました。KHシリーズということでプレイするという選択をして実際に遊びました。
さて、それでは早速レビューしていきましょう。
概要
タイトル:KINGDOM HEARTS Melody of Memory
ジャンル:リズムアクション
発売日:2020年11月11日
コンセプト:
「旋律とともにシリーズを振り返る」
「まったく新しいリズムアクション体験」
良かったポイント
1.思ったよりもKHらしさを感じられる
初めてプレイした時に驚いたのは、音ゲーと言うよりは思ったよりもアクションゲームっぽいと言うか、KHらしいと感じました。
音ゲーをプレイしたことがないのでイメージですが、ここまでアクション操作に寄っているものは少ないと思います。
シリーズファンとしては嬉しかったですし、この落とし所は良かったと思います。
2.宇多田ヒカルさんの楽曲をはじめ、シリーズの名曲の数が図が収録されていること
収録されている楽曲には人それぞれ思いの違いがあるでしょうが、概ね網羅しているのではないかと思います。
「旋律とともにシリーズを振り返る」というコンセプトから考えても、曲数、選曲ともに概ね問題ないと思います。
特に宇多田ヒカルさんのメインテーマをフルで収録しているのは感動しました。
他にもシリーズファンなら耳に残っているであろう素晴らしき名曲の数々が収録されています。
過去シリーズ中では聞き逃していた好みの楽曲が見つかったりもしてとても良かったです。
ただ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」は何故か一曲も収録されていないのが気になりました。
悪かったポイント
1.ゲームモードに偏りがありすぎる
まず、収録曲数は150曲です。
そして、ゲームモードが3種類あります。
1.フィールドバトル
2.ボスバトル
3.メモリーダイブ
この3つですが、驚くべきはその楽曲数の偏りです。
1.フィールドバトル 128曲
2.ボスバトル 4曲
3.メモリーダイブ 18曲
見て分かる通り、約85%がフィールドバトルモードでしかプレイできません。
ボスバトルやメモリーダイブは、見た目も派手でとても面白く、旋律だけでなく映像からもシリーズを振り返ることができる良いモードだったので楽曲数が少なくて残念でした。
2.音ゲーとして相応しくない楽曲がある
先に述べましたが、フィールドバトル楽曲が大半を占める本作では、収録されている楽曲もフィールド音楽がかなり多いです。
しかし、ゲームのフィールド曲ってゆったりとした曲が多く感じませんか?
曲そのものが楽しくないとかそういうことではありません。
皆さんも、静かにじっくり聴きたい歌と、カラオケで歌いたい歌ってありませんか?
その例えで言う、前者がこのゲームには収録されている楽曲として多く、とにかく乗りにくいです。
しかし、これは「旋律とともにシリーズを振り返る」というコンセプトをしっかりと守ったことによる結果なので良い点としたかったのですが、流石にフィールド楽曲が多すぎて、水増し感が否めません。
3.難易度調整やバランス取りの方向性が悪い
実はこのゲーム、全150曲それぞれに難易度「ビギナー」「スタンダード」「プラウド」と3種類存在します。
つまり、実質遊べる曲数は450曲と言えなくもないです。
全曲に難易度を設けて遊べる曲数が増えて一見良いことのように感じますが、その調整が仇となっています。
私は音楽センスが皆無ですし、音ゲーなんてこのゲーム以外プレイしたことありませんので、私の感覚がおかしいのかもしれませんが、その辺はご容赦ください。
私が思うに、演奏するのが難しい曲と、簡単な曲ってあると思います。
難しい曲を簡単な曲として表現するのにどうするのか?ということですが、このゲームでは以下のような調整が施されています。
1.楽曲中のミスの許容回数を増やす
2.譜面を削る
です。
1はわかりますが、2が致命的に問題で、ビギナーで遊ぶと楽曲と合っていないと感じてしまうことが、かなり多くあります。
「きらきら星」で言うと
「ソ・ソ・ド・ド・ラ・ラ・ソ・ファ・ファ・ミ・ミ・レ・レ・ド」
となっていて、プラウドではこれを全部入力しますが、ビギナーだと
「ソ・ソ・ ・ ・ラ・ ・ソ・ ・ファ・ミ・ミ・ ・ ・ド」
みたいな感じで、入力する譜面が削られています。
一見簡単そうに見えますが、逆に難しいと感じたり、リズムに乗れないので気持ち悪いです。
個人的には、入力譜面は同じにしてでも、入力判定をゆるくするとか、アシスト機能で自動入力されるとか、色々と工夫が欲しかったと思います。
ゲームはインプレッションレビューが多いので、レビューアーがどの難易度でゲームをプレイしたかでかなり意見が違ってくると思います。
実際、上手いと思われるプレイヤーは問題ないという意見が多い気がします。
「結局どっちなの?」不安に感じている方の疑問が解消されると幸いです。
ちなみに、この調整以外はされていないので、入力判定が緩くなるとかはありません。
レベルアップの概念があるのですが、大した恩恵も受けられません。
4.デモモードに柔軟性がない
全て虹色エクセレント評価されている状態を再生するだけです。
実は私は2歳の子どもに見せるという使い道があったのでとても役立ちましたが、多くの人には無関係なので悪い点に入れさせていただきます。
どうやら楽曲には細かくパートが分かれているようで、クリア時にパート毎のポイントバーも存在しています。
しかし、デモモードでは楽曲をフルで再生するしかなく、特定のパートを見返すことができません。
自分で録画して好きな場所から見れば良いのですが、そんな面倒なことをユーザーにやらせないでほしいです。
苦手な部分が楽曲の後半だった場合、そこを確認するのが非常に手間で上達したい意識を奪ってきます。
せめてパート毎にチャプター選択できるような機能があれば良かったです。
5.ワールドマップとミュージックセレクトの連携不備
楽曲ごとにミッションという物があります。
楽曲プレイの際に、特定の条件を満たす必要があるのですが、これが何故かワールドマップから楽曲を選択したときしか反映されないです。
ミュージックセレクトから楽曲をプレイして条件を満たしても無かった事にされます。
ワールドマップは一度ストーリーをクリアしてしまうと、楽曲選択が面倒なので使いたくないのですが、ミッションを達成するためにワールドマップから楽曲をプレイしないといけないので凄くストレスに感じました。
6.ストーリー展開
中途半端な振り返り用のダイジェストムービーとほんの僅かな伏線を張るだけの短い新規ストーリーという構成です。
これについては、声を大にして言いたい。
本当にデジャブですよ。毎回毎回、新規プレイヤー向けだなんだと言って似たような振り返りと称してそれで一本のゲームをリリースする姿勢には逆に驚かされます。
こんなに何度も振り返りをして、シリーズ初期からのプレイヤーの記憶力を馬鹿にしているのか、とすら感じます。
そして、新規ストーリーの方も伏線を張るだけで特に何も進まないというか、また次回作を待たされるだけの状態になります。
せめて、過去のシークレットムービーのように多くの情報があれば、あれこれ考えられますが、情報が少なすぎて考察どころかただの妄想しかできません。
ストーリーに期待している方は購入する必要はないです。
このご時世ですから、動画サイトに溢れかえっていますよ。
実際、発売日当日の朝には新規ストーリー部分はアップされていました。
総評
5点(10点満点)
思ったよりはKHの操作感でプレイでき、シリーズの名曲の数々を楽しんでプレイできることは素直に面白かったです。ハマるとかなりハマります。
ただし、曲数の多さと同じようなゲームモードばかりが仇となっていて、とにかく飽きますし、やらされている感が強いです。
楽しめるかどうかは、音ゲーのプレイヤースキルと、好きな楽曲の数で、人によって大きく上下すると思います。
というのも、好きな曲だと繰り返していてもプレイするモチベーションが維持できますし、プレイヤースキルはある程度無いと楽しめないですよね。
全く歯が立たないとどんなにプレイしても苦痛ですし、自分のスキルとゲームのレベルがいい具合に拮抗して、「惜しかった」とか「頑張ってノーミスでクリアできた」とか、そういう感情をゲームプレイで得られるかどうかが鍵になってきます。
逆に上手すぎると作業になってしまいますから楽しくはないですよね。
楽しめるかどうかはプレイヤーによって大きく違いが出るでしょうが、完成度はそれなりにある良いゲームです。
KHシリーズの音楽に浸りながら、シリーズの思い出を振り返りたい方はプレイして損はないタイトルと言えます。
KHシリーズはストーリーを楽しみにしているという方は動画サイトで検索して観れば充分でしょう。
感想
トロフィー取得率を100%にするまでプレイした上で感じたのは、徐々に上達していく楽しみを感じながらできました。KHシリーズの楽曲は大好きなので、辛いと感じることはなかったです。
しかし、それと同時にノーミスでクリアするには私にとっては難易度が高くかなりイライラしながら達成したのははっきりと記憶に残っています。
シリーズのトロフィーコンプリートが途絶えずに本当に安堵しました。二度とやりたいとは思わないですね。